「ラーメン博物館の巻@」

  
我らYO!ラーメンBROSが、デビュー戦にして世界チャンピオンに挑戦!ラーメン好きの聖地ラーメン博物館、略して「ラー博」へと乗り込んだ。YO!
   
湾岸ミッドナイトでは伝説の走り屋と呼ばれた我らRB(ラーメンブラザーズ)は、シルバーメタリックのモンスターマシン(1000cc)に乗り込み、吉祥寺の豪華マンション(家賃7万!月収の約2/3)からいざ横浜へ!
  
我らRBは裏道と井川遥ちゃん情報だけには異常に詳しく、渋滞の最中にもかかわらずスムーズにラー博へと到着した。
  
夏休みの土曜日とあって、館内は家族連れやカップルで賑わい、どの店も長蛇のである。我々はエセ博多人として、「まずは豚骨食わないかんったい!」などと普段使った事も無いような博多弁を駆使して周囲を威嚇。ごってりギトギトの豚骨ラーメン「久留米魁龍」の長い列に並んだ。
  
「今日は3軒ハシゴするぞ!」と意気込んだ我々は待ち時間にビールを飲む余裕を見せ、ひたすら博多弁で豪気な九州男児を演出しつつ、次のラーメン屋の候補選びに余念が無かったのである。
  
やっとのことでテーブルにつくと、いい感じに床もテーブルも油でヌルヌル。豚骨の強烈な匂いが鼻についた。  期待に胸踊る豪気な博多人、RBの前に置かれたのは2つともとってもかわいいミニラーメンであった。これがまた子供の取り皿のような情けない器で、普通盛りを食べている周りの女の子の視線を感じ、思わず標準語になるRBの言い訳は「3軒目だから」であった。
   
さて肝心のラーメンであるが、スープはこってりと濃厚で、飲み終わると舌の上にザラリとした感触が残るほど。食べやすいように牛乳で伸ばしたりなどせず、ひたすらこってりワイルドで匂いも強烈!きっと食べ慣れないであろう東京人らしきあんちゃんは、一口でその匂いに「ウッ!」と来て(まるでタイソンにKOされたトニータップスのように)、箸が全く進んでいなかった。
  
麺はやはり博多風細麺。これだけ濃厚なら太麺のちぢれでもいいかなとRB的には思う。
  
確かに濃厚でこれぞ豚骨!って感じだが、結果から先に言うとマズかった!なぜならそれは旨みとか香りとか以前にとにかく塩辛いのである。塩がそんなにキツくないという前提で、濃厚豚骨派の人であればまあまあという評価か。ただ塩加減のできてない料理人は基本的に味覚オンチなんじゃないでしょうか?!なーんて。
  
毒舌がウリのRBは、つべこべ(小声で)言いつつもきれいにミニラーメンをたいらげ、「ごっつぉさん!」と今度はいなせな江戸っ子を気取りつつ「久留米魁龍」を後にした。
  
さあ次はどこだとばかりに勢いづくRB。何せ今日は3軒ハシゴの予定なのだ。
  
しかしRBリーダー“サンダース林”の胃袋はこの時すでに限界に近かったのである。(ミニラーメン一杯で)。きっとサンダース林の頭の中では「自分がまさか食えない奴とは知らなかったが知らなかったじゃ済まなかった」(チキン?)という言葉が回っていたことであろう。
  
驚異的な食の細さを露呈したサンダース林!果たして悲願の3軒斬りは達成なるか?!次号「ラー博死闘編」に続く!

「久留米魁龍」…★★

「ラーメン博物館の巻A」 〜ラー博死闘編〜

  
1軒目で基本の豚骨ラーメンを平らげたRB。さすがに2軒目は趣向を変え、醤油ラーメンを食べることにした。次のターゲットは「蜂屋」なる北海道旭川ラーメンのお店。全国のラーメン屋が一同に会するのがラー博の醍醐味である。北海道のラーメン屋はラー博内に2軒あるのだが、1軒は同じくこってり豚骨系だったので、今回は醤油ラーメンの「蜂屋」を選択。3軒斬り達成に向け慎重なRBである。(ROCKじゃない!?)
  
「蜂屋」に1歩足を踏み入れると、今まで嗅いだことも無いような、油臭いとも焦げ臭いともつかない匂いが店内に漂う。こざっぱりしたテーブルに腰を下ろし、いかにもラーメン通みたいなしたり顔で店内を見渡す我々が、注文を取りに来た店員に向かって差し出した食券には、やはり「ミニラーメン」の文字が刻まれていたのである。
  
注文の際、店員は我々に不可解なことを聞いた。「スープに入れる油の量はいかがいたしましょうか?」訳がわからず我々は、平均的な日本人よろしく「普通で。」と答えるのみである。
  
ラーメン、もとい“ミニラーメン”が来るまでの間、次のラーメン屋についての作戦を練ろうとしていた時である。RBリーダー、“サンダース林”の口から予想だにしない言葉が漏れた。
  
「腹いっぱいでもう食えねえぞ。」
  
この男がラー博で食べたのはたった一杯のミニラーメンだけである。にもかかわらず、表情からは来場時の勢いは影を潜め、消え入りそうな自嘲気味のウスラ笑いが浮かぶのみであった。
  
言わんこっちゃ無い。
  
ただでさえ食の細いサンダース林。しかしそのハートはROCKである。Dead,Jail or Rock'nRoll!なんである。そのROCKなハートが仇になった。早い話が後先考えず、待ち時間にビールを飲んでしまったことが満腹の原因になったのだ。後先考えないその意気や良し!ただRock'nRollとは何ぞやということを良く考えなければならない、少年の心を持った三十路である。
  
ともあれラーメンはやってきた。スープに何か焦がしたような油が浮いている。香りもなんだか焦げ臭い。スープをすすると外見通りの焦げ臭さ!しかも魚臭くて苦いと来た!思わず顔を見合わせ「なんじゃこりゃ!?」と困惑するRB。ともかく麺がどうの具がどうのなんて記憶に残らないほど強烈なスープなのだ。幾多のラーメンを平らげてきたRBであるが、こんなラーメンは初めてである。魚臭さ&焦げ臭さの原因は、どうやら冒頭店員が我々に聞いた“油”である。テーブルに置いてあるラーメンの説明書きによると、鰯を油で焦げるまで揚げ、その油をスープに入れてあって、何でも「ヤミツキになる味」なんだそうだ。冗談も休み休み言って欲しいものである。とにかく苦い、臭い!まるで罰ゲーム!さすがにスープは全部飲めなかった。しかしある意味一度皆さんにも味わってもらいたいものだ。
  
ラーメンのスープのように苦々しい面持ちで店を後にしたRB。サンダース林の足取りは異常なほど重く、顔にはうっすらと脂汗がにじんでいる。満腹に加え、さっきのスープの油にやられてしまったようだ。
  
こうしてRBの世界挑戦は完全KO負けにて幕を閉じた。ちなみにこの日サンダース林がラー博内でひいたおみくじは「吉」という何とも中途半端なもので、やはり完全KO負けである。
  
“わざと焦がしたラーメンのスープに奴はまだ思案中”といったカンジを持ちつつ、次回のリベンジを堅く胸に誓い、酔っ払いのような千鳥足でハマの潮風に吹かれるRB(というかサンダース林)であった。

「蜂屋」…★